【自転車利用時の注意点や、サイクリングの効果について】2021.1.19

 

最近、当グループのTwitter(現X)にもアップしましたが、寒い日の自転車通学は危険です。

全国的に寒い日が続き、大阪でも今朝は道路が凍結していました。

とても滑りやすく、自転車通学の高校生が転倒し顔を怪我していました。

所々に凍結していると、気づきにくく危険です。

 

今回さらに、自転車利用時の注意点や、サイクリングの効果についてお話しします。

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ODの人も、自転車を運転する機会が多いと思います。その際には以下の点に注意しましょう。高校生では通学時に自転車を利用する人が多いと思います。一般の人が自転車に乗る場合、通常の事故に出合う危険性があり注意が必要ですが、それに加えて、ODの人では、以下の点に注意しましょう。

 

【1】登校時に自転車を利用する場合、遅刻しそうになると、必死にペダルを漕いでしまいます。自転車は楽なので速くペダルを漕ぐと急激な筋運動のために一時的に血圧が急激に低下する危険があります。さらに予想以上に心拍数が高くなって、動悸が激しくなり、しんどくなることがあります。急がないように、余裕をもって出発しましょう。

 

【2】交差点の赤信号で待つ場合、自転車から降りずに立ったままでいると、下半身に血液が移動して血圧が低下する可能性があります。それで失神する危険性があります。信号待ちなどでは、自転車から一旦降りて、足クロスや足踏み動作を行って、下半身への血液移動を少なくしましょう。

 

【3】これまでに自転車事故のケースがあります。サイクリングの最中の出来事です。上り坂の後に長い下り坂があり、自転車をこぐのを止めていました。急に意識が無くなり、転倒し、気が付いた時は、病院の救急室だったようです。中には、頭部打撲で軽度の脳出血を起こしたケースもありました。

サイクリングでは汗をかき、脱水症になりがちで、血圧も下がります。さらに、足でペダルをこがない坂道では、足の筋肉に血液が移動してさらに血圧が低下し、脳血流が低下して、意識を失う危険性が高くなります。この事故は冬の寒い日に起こっているので、季節に関係なく、サイクリングは注意してください。

 

【4】過去の国内外の研究をレビューしてみても、サイクリングが他の運動種目(ランニング、ウォーキングなど)に比べて、ODへの治療効果が高いという報告は、現時点では見当たりません。家で寝そべって運動しないよりは、自転車で外出するようがまだましですが、ウォーキングよりも自転車が効果があるというエビデンスはありません。当グループに受診している患者さんの中で、サイクリングでODの検査データが改善したというケースを経験していません。

 

以上から、「ODの治療方法としてのサイクリング」は積極的には勧められません。サイクリングの効果がないわけではありませんが、サイクリングをする際には、上記の注意点をしっかり守ってください。

 失神による事故の発生を考えると、サイクリングよりウォーキングの方がはるかに安全でしょう。

 

当グループでは、毎日のウォーキングの方が、ODへの治療効果がはるかに高いと考えています。なぜなら、毎日の朝と夕方に30分のウォーキング(1kmを10分の速足)を2年以上続けて、フルドーズの薬物療法を完全に中止でき、朝もすっきり起床できるようになり、検査データも正常化した成人例を経験しています。ウォーキングを継続している間、再発もありません。

 

通学や、ちょっとした外出では、できるだけウォーキングするように心がけてください。

だたし、無理はしないで、5分~10分から始めてくださいね。

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