【監修者からのコメント】
2018年以後に発表された起立性調節障害に関する新しい研究をリストしています。また、原著論文、総説、解説論文として学術雑誌に掲載されたものに限定しています。
近年の起立性調節障害に関する研究は、日本小児心身医学会の「小児起立性調節障害診断・治療ガイドライン」に基づいて、新起立試験によってサブタイプを決定し診断確定するようになってきました。しかしまだ症状だけや以前の判定基準を使ったエビデンスの不十分な研究もありますが、かなり減ってきたようです。全般的に洗練された研究が増えてきました。
海外、とくに欧米での小児起立性調節障害の研究は、おもに体位性頻脈症候群(POTS)を中心になされています。これはすでに報告されていますが、欧米ではサブタイプの起立直後性低血圧が極めて少ないためです。またPOTSの診断基準は日本と米国で異なります。国の違いや民族の違いが影響していると思われますが、日本のPOTSの診断基準は、公立小中高等学校における相当数の健常者の新起立試験データを基に作成されており、エビデンスが確立しています。一方、米国では日本に相当するデータがありません。その点では日本の研究が先行していると言えます。
起立性調節障害(OD)-病態理解と診断・治療はどこまで進んでいるか 起立性調節障害難治例におけるガイドラインの活用
Author:梶浦 貢(サンタマリア病院 小児科)
Source:子どもの心とからだ(0918-5526)26巻4号 Page381-383(2018.02)
起立性調節障害(OD)-病態理解と診断・治療はどこまで進んでいるか 起立性調節障害に対する薬物療法 ミドドリンの次の一手
Author:吉田 誠司(大阪医科大学附属病院 小児科)
Source:子どもの心とからだ(0918-5526)26巻4号 Page377-380(2018.02)
起立性調節障害(OD)-病態理解と診断・治療はどこまで進んでいるか 起立性調節障害における脳血流変化
Author:石井 和嘉子(日本大学 医学部小児科学系小児科学分野), 藤田 之彦
Source:子どもの心とからだ(0918-5526)26巻4号 Page374-376(2018.02)
起立性調節障害(OD)-病態理解と診断・治療はどこまで進んでいるか 起立性調節障害は、なぜ起きられない? 睡眠障害の視点から
Author:呉 宗憲(東京医科大学 小児科)
Source:子どもの心とからだ(0918-5526)26巻4号 Page371-373(2018.02)
【不定愁訴】 若年者の不定愁訴に潜む起立性調節障害
Author:田中 英高(OD低血圧クリニック田中)
Source:アニムス(1342-0119)23巻1号 Page16-20(2018.01)
小児起立性調節障害診断・治療ガイドラインの新起立試験法における血圧回復時間の検討
Author:数間 紀夫(西部総合病院 小児科)
Source:埼玉県医学会雑誌(0389-0899)52巻1号 Page242-245(2017.12)
起立性調節障害と考えられていた自閉症スペクトラム障害および注意欠如多動性障害併存の14歳女児例
Author:秋谷 進(三愛会総合病院 小児科)
Source:小児科(0037-4121)58巻13号 Page1707-1710(2017.12)